LOUVRE - DNP MUSEUM LAB
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絵画部門紹介
ルーヴル - DNP ミュージアムラボ 第9回展 ゴヤの≪青い服の子供≫ ルーヴル美術館のスペイン絵画コレクションに入るまで
絵画部門は13世紀から1848年に至るまでのヨーロッパ絵画のあらゆる流派を代表する作品群によって、極めて網羅的なコレクションを形成してます。各々のコレクションの研究とその展示は、一流の専門家から成る12人の学芸員に委ねられています。

© 1995 Musée du Louvre / Pierre Ballif
コレクションの歴史

ルーヴルの絵画部門の起源は、イタリアの宮殿にあったような絵画の間をフォンテーヌブロー宮に作ろうとしたフランソワ1世に遡ります。フランソワ1世は、ミケランジェロ、ラファエッロといった、イタリアの巨匠たちの傑作を取得したり、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ロッソ、プリマティッチオなどの芸術家を自らの宮廷に招聘しました。君主から君主へと受け継がれていったフランス王家のコレクションは、各時代の流行や嗜好に合わせ、大規模な取得を繰り返しながら拡大していきました。その中にはルイ14世が取得した銀行家ヤーバッハの大コレクションも含まれています。ルイ14世統治下ではイタリア美術のコレクションがさらなる充実を見、ルイ16世の治世下では、最初のスペイン絵画(ムリーリョ)やフランス絵画の連作(ル・シュウール)が収蔵されました。一方、ドイツ、ネーデルラントなどの北方絵画は17世紀、そしてとりわけ18世紀に収蔵されていきました。

これらの王室コレクションは、1793年にルーヴル宮殿の中に開設された中央美術館(革命時に設立されたルーヴル美術館の前身)の出発点になります。19世紀には、フランス革命時の接収品や、ナポレオンがヨーロッパ各地から戦利品としてもたらした美術品や、個人コレクション(カンパーナ侯爵コレクション)の購入やサロン展示作品の購入、寄贈作品(1869年のラ・カーズ博士コレクション)などによって、絵画部門はより一層充実していきました。

1986年、駅を改装してできたオルセー美術館の開館に伴い、ルーヴルの絵画部門は新たな局面を迎えます。クールベ、印象派の作品など、1848年(二月革命の年)以降の作品は、ルーヴルから、新しいオルセー美術館へと移されたのです。

寄贈者たち

美術館の歴史で、篤志家による寄贈やメセナの存在は大きな役割を果たしてきました。中でも、およそ100年前に設立された「ルーヴル友の会」は、あらゆる時代、地域の作品を多数取得し、それらの中には文句なしの傑作も含まれています。

一方、ラ・カーズ、モロー=ネラトン、ロスチャイルド、更に近年におけるレーム、カウフマン、シュラーゲターといった数々の寄贈者の存在は、各々の時代や画家の再発見やコレクションの歴史と密接に繋がっています。例えば、ラ・カーズ・コレクションは、18世紀の美術品を初めてルーヴルにもたらし、最近のレームの寄贈は、18世紀イタリア絵画の空白を補うものでした。数々の重要な寄贈の中でも、3つのコレクションが作品の旧蔵者の意志を受け継いでかつての形のまま、まとめて展示されています。クール・カレ(方形の中庭)の3階に展示されているカルロス・デ・ベイステギによって収集され1942年に寄贈された肖像画のコレクション、1930年にルイ・ド・クロイ公爵夫人から寄贈された、彼女の父親エピーヌ伯によるオランダ絵画のコレクション、1961年にヴィクトール・リヨンから遺贈された古典絵画と印象派とが同居するコレクションです。これらの見事なコレクションはクール・カレの3階にまとめて展示されています。

最近は、様々な企業や大規模な金融グループのような新しいタイプのメセナも、絵画部門にとっては重要な存在です。さらに、個人からの寄贈は、今まで世に埋もれていた稀少な画家の作品を収蔵できることにつながり、絵画部門はさらに専門性豊かなものとなってます。

展示の歴史

絵画部門はイタリア絵画およびスペイン絵画がドノン翼の2階部分を、フランス絵画と北方絵画がリシュリュー翼とクール・カレの3階を占めており、各々が年代順に展示されています。

現在の展示形態は、ルーヴル宮殿の中で過去3世紀にわたって変化してきた結果です。元来、絵画ギャラリーはグランド・ギャラリーとサロン・カレに設置されていました。その後次第に、18世紀には複数の芸術家が実際に居住していた場所でもあるクール・カレの周囲に展示室を広げていきました。すなわち18世紀絵画の中には、実際に制作された場所から数メートルほどのところに展示されている作品もあります。クール・カレに住んでいた画家の中には、ヴーエ、ル・ブラン、フラゴナール、ダヴィッドなどがいました。

ユベール・ロベールその他の画家たちの一連の絵は、ルーヴル美術館の当時の展示室の様子を伝え、展示形態の発展を知る機会を与えてくれます。18、19世紀の多くの絵を所狭しと並べる展示は、20世紀にはより合理的で、スペース的にも余裕あるものとなり、それらは美術史の流れや、画家や流派を反映させたものとなっていきました。

美術館内部の様々な装飾は、ほぼ三世紀にわたるフランスの装飾絵画の歴史を形成しています。アンヌ・ドートリッシュの夏の居室のロマネッリの天井画、19世紀のデュシャテルの間、20世紀にアンリ2世の間の天井に描かれたブラックによる《鳥》などは、絵画愛好家にとっては、素晴らしい発見であることでしょう。

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