LOUVRE - DNP MUSEUM LAB
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展示内容
ルーヴル - DNP ミュージアムラボ 第8回展 来世のための供物展 古代エジプト美術から読み解く永遠の生への思い 2011年10月8日(土)〜2012年3月4日(日)

永遠に生き続けたい――そう願った古代エジプト人が考えた来世は、現世の暮らしとよく似たものでした。そのため、人は来世でも食事をし、のどの渇きを癒やす必要があります。それは、現世でも来世でも最も重要な事柄でした。

内務の長サケルティのステラ
内務の長サケルティのステラ
アビュドス出土(推定)
中王国時代、第12王朝、センウセレト1世治世下
紀元前1970年‐紀元前1900年頃
石灰岩、彩色
高さ64cm、幅54cm
ルーヴル美術館、古代エジプト美術部門
所蔵番号E3113(C196)
1857年アナスタジ・コレクションより購入
© 2011 Musée du Louvre / Christian Décamps

来世で食事をするためには、家族や神官に食べ物や飲み物を供物として墓前に奉納してもらわなければなりません。しかし、古代エジプト人たちはより確実な代替案を考えました。食べ物や飲み物を絵に描いたり、ヒエログリフ文字で表現したり、その名を唱えることでも、本物を供えたのと同じ効果があるとしたのです。本物はいずれ朽ちてしまいますが、絵や彫刻ならその効果は永遠に続くと考えたのです。

古代エジプト美術の独特な人体描写や、図像にヒエログリフを組み合わせた画面構成といった表現上の特徴は、この呪術的な効果を永遠に保つことを目的としていました。人物や物の姿をいつまでも残すため、その形を最もわかりやすく表せる方法で描こうとしたのです。このような表現上の約束事は約3000年に及ぶファラオの治世の間、守られ続けました。

ルーヴル - DNPミュージアムラボ・第8回展「来世のための供物展 古代エジプト美術から読み解く永遠の生への思い」で展示される作品は、そうした葬礼に関わる古代エジプト人の考え方を現代に伝えるものです。

会場ではエジプト王家の高官だったサケルティという人物のためのステラ(石碑)を中心に、謎に包まれたエジプト人の世界観を解読していきます。独自に開発した映像装置を使って、死後の世界を司るオシリス神の聖地、アビュドスの様子を俯瞰したり、供物を奉納する儀式に参加することができます。失われてしまった文明にさまざまな形で触れることで、古代エジプト美術に込められた呪術の力が21世紀の今も失われていないのかもしれない、ということを感じていただけるでしょう。

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